- 出版社・取扱者 : 大法輪閣
- 発行年月 : 2008年12月20日
- 本体価格 : 本体3,000円+税
目 次 |
はじめに 第一章 『教行信証』を読む前に 第二章 総序 第三章 教巻 第四章 行巻 第五章 信巻 第六章 証巻 第七章 真仏土巻 第八章 化身土巻 第九章 後序 あとがき |
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著者は、龍谷大学文学部教授。『歎異抄』や浄土教の教理史に関する研究を専門としている。
本書には、親鸞聖人の主著である『教行信証』を初めて学ぶ学生や社会人を対象とした講義の記録が収められている。そのため著者は、詳細な教義についての議論を避け、できる限り分かり易く親鸞聖人の教えを語るよう配慮している。
本書は、まず「『教行信証』を読む前に」という章を立て、親鸞聖人の生涯や『教行信証』の概要などについて触れており、読み進めるにあたっての基礎的な知識を把握することができる。つづいて各章ごとに主要な文を書き下しにして取り上げ、意訳や語註を施して講義を展開している。著者は『教行信証』を、阿弥陀仏の本願に「気づいた」親鸞聖人が、自らの「気づき」について書きつづった「生きた宗教的書物」であると位置付け、至るところで阿弥陀仏のはたらきへの「気づき」や「出遇い」の意義を強調している。この視点こそが、本書を際立たせる特質となっている。
評者:前田 壽雄(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2009年3月10日