- 出版社・取扱者 : 興山舎
- 発行年月 : 2019年4月8日
- 本体価格 : 本体1,700円+税
目 次 |
はじめに-落語家はプロ、お坊さんはアマ、お見知りおきを。 第1章 うける話はオチがいい! 第2章 何があっても怖くない 第3章 アマへの風当たりもお笑いで 第4章 夫は異教徒・発達障害でした 第5章 みんなが笑顔になる話し方 あとがき |
---|
著者は落語家で天台宗僧侶でもある。本書は、月刊誌『月刊住職』(興山舎)の連載をまとめたもの。僧侶や落語家として活動する中で感じたことを、つづっている。
著者の夫はクリスチャンであり、本書では夫についてたびたび触れられている。その中に、このような話がある。著者が夫に『法華経』(天台宗のより所となる経典)のイメージを聞いたら、「法華経ですか?きついイメージです」「きついイメージ!?それは私の性格やんか!!」。これについて著者は、「夫にとって一番身近な仏教徒が私ですから、私の生き方や性格が夫にとって仏教そのもののイメージになっているのだと気付かされました。他宗教の人に仏教の素晴らしさをPRするにはまず自分自身が仏の教えをよく実践するのが大切」(132ページ)と語っている。これ以外にも、新幹線の車内で見かけた僧侶の、眉をひそめてしまう振るまいの話(66~69ページ)が紹介されている。評者も僧侶の一人として、自身の振る舞いを気をつけたいと感じた。
著者はこの他にも、自死対策や防災など、社会活動にも取り組んでおり、頭が下がる思いである。
話し言葉に近い文体なので肩肘張らずに読み進められるが、内容は考えさせられることが多い。
評者:多田 修(浄土真宗本願寺派総合研究所研究員)
掲載日:2019年7月10日