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季刊せいてん no.122 2018 春の号
  • 著者: 浄土真宗本願寺派総合研究所編
  • 刊行年月: 2018/3
  • サイズ: B5判
  • ページ数: 66ページ
  • 価格: 本体637円+税
  • 出版社・取扱者: 本願寺出版社






●特集 わが家で解決 セルフ質問箱のすすめ
  「セルフしないともったいない 2つの理由」
  「セルフの基本 5つのポイント」
  「さらにセルフ!新登場『季刊せいてん』総目次」
  「昔も今もまずは辞典」「やっぱりネットは便利」「救いの根拠を確かめる」
  「仏事の基本は本願寺の本で」「歴史は長く資料は堅く」

浄土真宗に関して何かわからないことがあったら、皆さんはどうしますか。詳しい人に聞く?確かにそれも一つの方法でしょう。しかしその前に、「自分で調べてみる」という方法がありますね。これを今回は、本誌のコーナー「せいてん質問箱」にちなみ「セルフ質問箱」と名付けて全力でおすすめしていきます。決して、難しいことを頑張ってやりましょうというのではありません。初めて学ぶ人にも研究者にも共通の、簡単で重要な調べ技です。保存版!



●はじめの一歩1 真宗〈悪人〉伝11 井上見淳
  「顕如と教如」(下)

教団史上「悪者」とされてきた人物たちの人生を通して、ちょっと違う角度から真宗の歴史と教えを学ぶシリーズ。そもそも本願寺とは、親鸞聖人の廟所から出発したわけですが、第八代蓮如上人は、本願寺を「開山聖人(親鸞聖人)の御座所(お住まい)」と規定されました。それは恐らく本願寺を、単に亡き聖人を偲ぶ場としてではなく、今現に聖人(御真影)にお会いできる場として、意味づけようとされたからに違いありません。……時は戦国乱世。あの織田信長から、「聖人の御座所」本願寺とその教え、そして門徒を護るため、第十一代顕如上人と長子・教如上人は懸命に立ち向かいます。しかしながら、最後に決断は分かれ、この親子はやがて別々の道を歩み始めます。信長との決戦、最終章です。



●はじめの一歩2 幸せってなんだろう―悪人正機の倫理学― 5 藤丸智雄
  「夜空ノムコウ―人間はどうやって善を知るのか?」

「悪人正機」という特殊性を持つ浄土真宗という宗教を中心に据えながら、古今東西の宗教や倫理学の知見を通じて、「幸せ」について考える連載。私たちが万が一の時にそなえて保険に加入することと、山の熊たちが冬ごもりにそなえてたっぷり食べることとの間に、何か違いはあるのでしょうか。実はそこに、嘘をついてはいけないとか、人のものを盗んではいけないといった、人間の善悪の判断につながるものがあるというのです。「何が善であり何が悪であるのか、そのどちらもわたしはまったく知らない」という親鸞聖人のお言葉も合わせて、考えてみましょう。



●聖典セミナー『唯信鈔文意』(新) 安藤光慈
  「他力信心の法義」

今号から本願寺派司教・安藤光慈先生の解説により親鸞聖人の『唯信鈔文意』を拝読していきます。『唯信鈔文意』は、法然聖人門下の先輩にあたる聖覚法印が著された『唯信鈔』のご文に親鸞聖人が解説を施されたものです。しかしそこには、単なる言葉の解説にとどまらない、『唯信鈔』の教えをさらに展開した親鸞聖人独自の仏教観が示されています。本書に込められた親鸞聖人のお心を是非ご一緒に学ばせていただきましょう。



●せいてん誌上講演 「正信偈」21 梯 實圓
  「善導大師(4) 阿弥陀仏に遇う」

故・梯實圓和上による「正信偈」の講演録。我が子に夫を殺され、自らも王宮の奥に閉じ込められた韋提希。彼女は突如空中に出現した、お立ちすがたの阿弥陀様を見て救われます。善導大師はこのお立ちすがたの阿弥陀様に重大な意味を見られました。三回にわたってお送りしてきた善導大師の段の最終回です。



●もう1人の「親鸞」5 黒田義道
  「幽霊の救い」

「宗祖」として様々に描かれてきた親鸞聖人に関する伝説的物語をクローズアップして、その物語を語り継いだ人々の心をうかがう真宗史入門。『歎異抄』第五条でも知られているように、故人の追善供養のためにお念仏をしないというのが親鸞聖人の立場です。ところが江戸時代に存覚上人の著として刊行され(偽作説が有力)広く流布した『親鸞聖人正明伝』では、親鸞聖人が追善供養をするお話が登場します。それも、小石に経文を書いて墓に埋めるという方法で。しかも、幽霊に対して!この驚くべき親鸞聖人の姿から、何が読み取れるのでしょうか。



●おてらカメラ―ちょっとの工夫でこの違い 3 中西康雄
  「屋根を撮る」

お寺を撮影するコツを学ぶコーナー。今回のテーマは、お寺の象徴ともいえる「屋根」です。「屋根なんてどう撮っても同じ」と思うなかれ。屋根は、撮り方次第でいろんな「表情」を見せてくれるのです。屋根撮影のポイントを学び、どんどん撮影し、どんどん発信しましょう!



●法語随想(新) 蓮谷啓介
  「これすなはちわれらが往生の定まりたる証拠なり」

今号より、大分県の蓮谷啓介先生の法話をお届けします。第一回目は、こちらも大分県出身の人気力士・嘉風(よしかぜ)関のお話から、「南無阿弥陀仏」と称え、「南無阿弥陀仏」を聞くことの意味を味わいます。



●読者のページ せいてん質問箱 3 大原実代子
  「〈恩徳讃〉は、いつ頃から特別に用いられているの?」

仏教・浄土真宗の教えや仏事に関する読者の皆さまの身近な疑問にお答えするQ&Aコーナー。「如来大悲の恩徳は♪」でおなじみの、「恩徳讃」。法要、法座、卒業式・入学式など多くの場面で歌われ、数多い和讃の中でもひときわ特別感がありますね。では、それはいつ頃から?というのが今回のご質問です。



●人ひとみな 物語からであう (新) 奥田章吾(ともしえ)
  「出家学道」

今回から登場していただくのは、影絵を用いた布教を各地で行っている浄土真宗僧侶の団体「ともしえ」の皆さん。一回ごとにメンバーを交代しながら、ともしえの影絵作品を紹介していただきます。第一回は「明日ありと…」の伝承とともに広く知られている親鸞聖人ご出家のお話「出家学道」。そこに加えられた、ともしえ独自のアレンジとは。やわらかな影絵とともにお楽しみください。



●お寺はいま 福岡県福岡市・早良組「つりっ子同行」
  「お聖教が布教使を育む」

ユニークで工夫をこらした活動を行うお寺を紹介する取材記事。寺院活動のヒントがつまっています。今回は、布教使として広く活躍されている徳常寺・紫藤常昭住職が講師をつとめる聖典学習会「つりっ子同行」を取材しました。紫藤住職が語る法話の「秘訣」とは?自信を持って法話をしたいと思っている方、必見です!



●西の空 心に響くことば
  「底のひかり」(榎本栄一)

心に響く言葉を美しい写真とともに味わう、ほっと一息つくことのできるコーナー。素朴な言葉で人生のまことをうたった「市井の仏教詩人」榎本栄一さんの詩をお届けしています。若い時にはわからなくても、年齢を重ねるとわかる「本当のこと」があるように思います。人生って奥が深い…。