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季刊せいてん no.114 2016 春の号
  • 著者: 浄土真宗本願寺派総合研究所編
  • 刊行年月: 2016/3
  • サイズ: B5判
  • ページ数: 66ページ
  • 価格: 本体637円+税
  • 出版社・取扱者: 本願寺出版社






●特集 親鸞聖人の筆跡
  「親鸞聖人の筆跡を知ろう」            編集室
  「筆跡探訪―年代別の著作」            編集室
  「宗祖筆跡確定の意義―"親鸞抹殺論"の否定」    岡村喜史
  「筆跡から感じる親鸞聖人」            赤尾栄慶
  「宗祖筆跡の正体」                藻塩芳昭
   コラム「親鸞聖人と宋文化」           編集室

「書は人なり」という言葉があるように、筆跡(文字の形やその書きぶり)には、多かれ少なかれ、書く人物の個性が表れるようです。今号では、親鸞聖人の筆跡を通して、親鸞聖人「その人」に多角的に迫っていきます。聖人の筆跡が私たちに教えてくれる情報は、聖人のご生涯やそのお人柄、そしてその時のご体調など、想像以上に多いことに驚かされます。

●はじめの一歩Ⅰ 真宗〈悪人〉伝③ 井上見淳
  「智洞(下)」

教団史上「悪者」とされてきた人物たちの人生を通して、ちょっと違う角度から真宗の歴史と教えを学ぶシリーズ。教学の最高責任者に就任した智洞でしたが、彼が三業説をいっそう強調したことによって本願寺は大混乱に陥ります。そしてついに、三業説を論破するため命をかけて研鑽を重ねてきた、安芸の大瀛との対決を迎えるのでした。江戸幕府まで巻き込んだ大事件の結末は。

●はじめの一歩Ⅱ 「物語」で読み解く仏教⑨ 野呂 靖
  「植物と成仏 その一」

説話集を通して学ぶ仏教入門。仏教では昔から、「草木成仏」、つまり植物は成仏するのかしないのかという問題が論じられてきました。環境問題の影響などもあってか、現代でもここに注目する人が少なくないようです。とはいえ、これがなかなかの難問なのです。2号連続で迫ります。

●聖典セミナー 歎異抄⑤ 矢田了章
  「第四条」

『歎異抄』研究をライフワークとされている矢田了章先生による『歎異抄』講座。相手の苦しみを取り除き、真の安らぎを与えることを「慈悲」といいます。第四条を拝読すると、阿弥陀さまの慈悲による救いの道がすでに用意されていたことに気づかされます。

●せいてん誌上講演 正信偈⑬ 梯 實圓
  「天親菩薩(2) 一心の功徳」

故・梯實圓和上による「正信偈」の講演録。天親菩薩は、『浄土論』の冒頭で「私は一心に阿弥陀さまに帰依します」と宣言されました。この「一心」といわれる「他力の信心」は、いったいどんな徳を持っているのでしょうか?浄土真宗の根幹に迫る「一心」のお話を味わいましょう。

●和讃で学ぶ浄土真宗⑤ 佐々木隆晃
  「南無阿弥陀仏(名号)」

「和語の『教行信証』」と呼ばれる和讃を通して、8回で浄土真宗をまるごと学んでしまおうという、すこし欲張りな企画。今回のテーマは、阿弥陀さまの願いのはたらきそのものである、「南無阿弥陀仏(名号)」です。

●ジョード・シンシュー・アイスブレイク③ タカシ・ミヤジ
  「他力のセトルドハート」

アメリカ出身のミヤジ先生が、現地で実際に使われている浄土真宗の言葉をフレンドリーに紹介するコラム。真宗の信心をあらわす「安心(あんじん)」は、セトルドハート、すなわち settled heart と訳されます。そこに込められた絶妙な意味を味わってみましょう。

●聖典こぼれ話③ 西村慶哉
  「聖教は読み破れ 異体字は見破れ」

日々、聖典の文字を見つめ続けている総合研究所の聖典編纂担の面々が、聖典にまつわる興味深くユニークな情報を交代でご紹介していきます。今回は、聖典と真摯に向き合うなかでこぼれ出た、ちょっとユーモラスなお話です。

●法語随想 悲しみとともに(新) 吉村隆真
  「仏の本願力を観ずるに……」 

人生には逃れることのできない深い悲しみがあります。阿弥陀さまのお慈悲に出あうとき、悲しみが悲しみのままで終わらない生き方が開かれます。今号から、全国的に活躍されている布教使の吉村隆真先生のご法話をお送りします。大切なことは「どれだけ長く生きたか」ではなく「どのように深く生きたか」。聖典の言葉を通して阿弥陀さまの本願に出あわせていただきましょう。

●読者のページ せいてん質問箱(新) 能美潤史
  「仏教の言葉はどうして独特な読み方をするの?」

仏教・浄土真宗の教えや仏事に関する読者の皆さまの身近な疑問にお答えするQ&Aコーナー。今号から担当が龍谷大学専任講師の能美先生にバトンタッチします。先生のご専門は真宗学と国語学。仏教での漢字の読みかたという素朴で大切な問いに、日本での漢字受容の歴史を交えつつ、やさしく答えてくださいます。

●人ひとみな あなたがいてくれるから(新) 白鳥ちあき
  「ふるさとの海」

今号から4回にわたり白鳥ちあきさんのエッセイをお届けします。白鳥さんは、瀬戸内に浮かぶ山口県周防大島で、僧侶として、シンガーソングライターとして、さらには地域資源を生かした経営で全国的に注目されているジャム専門店の副店主として、マルチに活躍されています。今回は、かつて「もう二度と戻らない」と飛び出した故郷への思いを綴ってくださいました。

●お寺はいま 福井県越前市・唯宝寺
  「伝道冊子〈のんのん〉―はじめる 伝わる つながる」

工夫をこらしたユニークな活動を行うお寺を紹介する取材記事。寺院活動のヒントがつまっています。今号では、お寺の手作り冊子「のんのん」を刊行する若坊守さんのこれまでの歩みや、「のんのん」に込められた思いをご紹介します。

●西の空 心に響くことば
  「桜」(鈴木章子)

味わい深い言葉を美しい写真とともにお届けする、ほっと一息つくことのできるコーナー。お寺の掲示伝道にもお使いいただくことができます。現在は、『癌告知のあとで』の著者、故・鈴木章子さんのお言葉をご紹介しています。