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季刊せいてん no.135 2021 夏の号
  • 著者: 浄土真宗本願寺派総合研究所編
  • 刊行年月: 2021/6
  • サイズ: B5判
  • ページ数: 66ページ
  • 価格: 本体637円+税
  • 出版社・取扱者: 本願寺出版社






●特集 「深掘り歎異抄 その1―『いつでも歎異抄』刊行記念―」
「新しい訳文へのチャレンジ」井上見淳
「私の中の親鸞さまと唯円さん」一ノ瀬かおる
「1F 『歎異抄』って、どんな書物?」
「B1 『歎異抄』の著者は、なぜ唯円?」
「B2 〈大切の証文〉とは何か?」
「B3 〈悪人正機〉の源流は?」
「深掘りコラム1 『歎異抄』の古写本」
「深掘りコラム2 第五条のダガーマーク」

『歎異抄』の魅力をぎゅっと詰め込んだ『いつでも歎異抄』が刊行されました。刊行早々重版が決定するなど、多くの方に喜んでいただいています。今回の特集では、『いつでも歎異抄』に関わってくださった井上先生と一ノ瀬先生に、制作時の思い出などを語っていただきます。後半は、『いつでも歎異抄』をより深く味わっていただくために、『歎異抄』を深掘りしていきます!



●はじめの一歩1 江戸時代の庶民的な仏教書とお説教 4 和田恭幸
  「近世中期の勧化本(一)―説教台本の構成と言葉の役割―」

「仏法は聴聞にきはまる」(蓮如上人)。とすれば、み教えを伝えるお説教の大切さはどれほど強調してもしすぎることはないでしょう。先人方はこれまでどのような工夫を凝らしてお説教をしてきたのか。節談説教の「説教台本」をもとに、お説教の構成、さらにはその醍醐味を学びます。



●はじめの一歩2 幸せってなんだろう―悪人正機の倫理学―18 藤丸智雄
「永遠と倫理―『鬼滅の刃』の〈悪人正機の倫理学〉流解釈―」

昨年度、何かと話題に上がった漫画『鬼滅の刃』。映画も爆発的にヒットし、いたるところに鬼滅グッズが。さてこの漫画、浄土教にも関係深いだけでなく、魅力的な登場人物たちの言動はなんとも倫理観を揺さぶります。というわけで、〈悪人正機の倫理学〉流に、『鬼滅の刃』を勝手に解釈しちゃいます!



●聖典セミナー 『唯信鈔文意』(終) 安藤光慈
  「関東の混乱と宗祖」

法然門下の法兄・聖覚法印の『唯信鈔』のご文を、領解しやすいよう丁寧に説き示された親鸞聖人の『唯信鈔文意』。今回拝読する総結・跋文・奥書部分は、これまでのように教義について述べられた箇所ではないため、それほど重要ではないように思えます。しかしこれらのご文は、親鸞聖人の思いや当時置かれていた状況について、驚くほど多くのことを語ってくれています。聖人の息づかいを感じる、本セミナー最終回です。



●せいてん誌上講演 『蓮如上人御一代記聞書』6 稲城選惠
  「浄土真宗の信心」

浄土真宗の信心ほど難しいものはないように思います。「信心」と聞くと、どうしても信じることに力が入り、自分の思いを固めるほうにいってしまう。本当に難しい…。ですが、他力の信心について手をかえ品をかえ懇切にご説明くださった稲城和上のお言葉が残されていることは大変有り難いことです。今回もじっくり聞かせていただきます。



●ほとけのいる景色―アジャンター石窟寺院 10 打本和音
  「小さな侵略者」

みなさんはお寺に入った時、どんな印象を抱くでしょうか。もちろん、宗派、地域、新旧、様々な条件によって、お寺ごとにその顔は異なるでしょう。しかし、日本のお寺では大抵の場合、端正な、調和のとれた雰囲気を、空間全体から感じとれるのではないでしょうか。
ところが、アジャンターの場合はちょっと事情が違います。端正なこだわり空間であることは間違いないのですが、何とも言えない違和感が……。奇抜な建築意匠があるとか、斬新な色彩が目に入って来るとか、そういうことではありません。では何故?――ということで、今回はその空間づくりに目を向けてみたいと思います。(本文より)



●せいてん華道教室 3 弓場洋子
  「華道の形―個の輝き」

仏華についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。私たちはよく目にするものを、いつの間にか決まりのように思ってしまうことがあります。今回はその殻を破り、生き生きとしたお花を生けるヒントを、弓場先生にお話いただきます。



●法語随想 2 四夷法顕
「〈聞其名号〉といふは、本願の名号をきくとのたまへるなり。きくといふは、本願をききて疑ふこころなきを〈聞〉といふなり。またきくといふは、信心をあらはす御のりなり。」

「浄土真宗の教章(私の歩む道)」に、浄土真宗のご本尊は「阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)」とあります。阿弥陀如来がご本尊であることはわかりますが、「南無阿弥陀仏」がご本尊とはちょっとわかりにくい かもしれません。阿弥陀如来は、「南無阿弥陀仏」という言葉となってこの私に寄り添ってくださる仏さま。四夷先生も体験された阪神・淡路大震災のエピソードからやさしくお話いただきます。



●読者のページ せいてん質問箱 2 川元惠史
  「明治時代、インドとの交流はあった?」

仏教・浄土真宗の教えや仏事に関する読者の皆さまの身近な疑問にお答えするQ&Aコーナー。ペリーが浦賀にやって来たのが1853年。開国後、明治維新とともに急速なグローバル化が進んだ明治時代の日本。かつて多くの仏教者が憧れ切望した仏教の祖国インドへの仏跡参拝も現実のものとなります。さて、そんな明治時代の日本仏教界とインドはどのような関係性にあったのでしょうか。明治の仏教界がありありと見えてくる、川元先生篇「質問箱」の第2回です。



●人ひとみな 私のお寺づくり 2 松﨑智海
  「SNSは何のため?」

皆さん、松﨑住職に何か質問できるとしたら、何を尋ねますか?おそらく、「SNSでの発信によってご門徒はどれだけ増えましたか?」とお聞きになりたい方、多いのではないかと思います。しかし、松﨑住職にとってのSNSは、そのような方にとっては意外なものかもしれません。松﨑住職は何を目的としてSNSをされているのでしょうか?



●一緒に歩こう―親鸞さまの道― (新)
  「日本浄土教の歴史と親鸞聖人のご誕生」

総合研究所仏教音楽・儀礼研究室では、ガイドツアー「一緒に歩こう~親鸞さまの道」を年に一度開催してきました。しかし残念なことに、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により現在は開催が困難な状況が続いています。でも、ピンチはチャンス、コース上の寺院や旧跡の歴史を学んでおけば、コロナ禍終息後の「一緒に歩こう」はより充実したものになるはずです!
さあ、「誌上ツアー」に出発しましょう、来るべき「リアルツアー」にむけて!