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第1回「讃仏偈」① 講座の内容

【座学の内容】

「讃仏偈」の「讃仏」というのは「仏さまを讃える」という意味で、「偈」とは「うた」のことです。この「仏さまを讃えるうた」は、『仏説無量寿経』というお経の中、法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)が世自在王仏(せじざいおうぶつ)という仏さまのお徳を讃える場面で出てきます。法蔵菩薩というのは、阿弥陀さまがさとりを開く前、修行者であったときの呼び名で、世自在王仏は、法蔵菩薩の師(先生)となる仏さまです。

『仏説無量寿経』には阿弥陀さまがどのようにして仏となられたのかということについて、次のように示されています。

 あるとき一人の国王が、世自在王仏の説法を聞いて深く感動し、自分もこの上ないさとりを開きたいという心をおこされました。そして、国も王位も捨て、出家して修行者となり、法蔵と名のられたのです。このとき、法蔵菩薩は師となる世自在王仏の光り輝くお姿を讃え、自らも世自在王仏と同じように、智慧と慈悲にあふれた仏になりたいという「うた」(「讃仏偈」)を述べられました。

 そして、法蔵菩薩は五劫という長い間、考えに考え抜いて、四十八の誓願を建て、不可思議兆載永劫(ふかしぎちょうさいようごう)という、はてしなく長いあいだ修行をして、阿弥陀仏となられたのです。

 「讃仏偈」は、このような流れのなかで示される、「仏さまを讃えるうた」なのです。

【実践の内容】

 第1回目の実践の時間では、「そもそもお経を唱えるということはどういうことなのか」という、最も基本的なことを学びました。

 お経は、お釈迦さまの説法の内容を記したものです。当初、お釈迦さまの教えは、師から弟子へ、そのまた弟子へと口伝で伝えられてきました。それが、紀元前1世紀ごろから文字にあらわされるようになったのです。そして、シルクロードを通って中国へと伝わり漢文に翻訳されました。さらに、朝鮮半島を経て日本に伝わり、今この私にまで届いているのです。

 何千年も昔に、遠く離れたインドで説かれたお釈迦さまの教えが、私にまで届いているということは、とても凄いことです。それは、正しい教えをそのまま伝えようとされた、私たちの先達のお陰なのです。そのような先達方の心を承けて、私たちもおつとめをするときには、ご文を間違えずに正しく読むことが大切です。

 お経は、仏さまの言葉です。おつとめは、仏さまの言葉を拝読するのです。ですから、おつとめをするのは私ですが、そこに響く言葉は、仏さまが私に向けてくださる説法だと受けとめて聞かせていただくのです。

 また、私たちがおつとめをすることには、仏さまのお徳を讃える「仏徳讃嘆(ぶっとくさんだん)」という意味があります。ですから、おつとめをきちんとするということは、仏さまを讃える心を体全体で表していることになるのです。

 おつとめの実践では、合掌礼拝の仕方や、お経本の扱い方、おつとめの際の姿勢など作法の基本を詳しく学びました。作法については、本願寺派勤式指導所のホームページhttp://gonshiki.hongwanji.or.jp/html/bms3.htmlに詳しい説明がありますのでそちらも併せてご覧ください。