仏教音楽・儀礼研究室では、浄土真宗の儀礼について様々な角度から対談する「本願寺茶房」を開催しています
2015年1月26日 本願寺聞法会館にて開催
【所感】
今回は、藤田隆則氏をお招きし、『儀礼と芸能-本願寺と能-』と題して、亭主、天岸淨圓氏と対談いただきました。
まず、藤田氏は、能が長い歴史を有している理由を、観て楽しむだけではなく、演じて楽しむものであったからだとされます。それを受け、天岸氏は社交手段としての能を取り上げられ、話は本願寺と能の関係へと展開していきます。
本願寺にある南北能舞台の話になると、藤田氏は、南舞台はプロの能を鑑賞する舞台であり、北舞台は素人が演じ、楽しむための舞台であったのではないかと独自の見解を述べられます。
その後、話は儀礼と芸能の関係へと移ります。藤田氏は、芸能は多くの方にとって「退屈」であるが、演者にとっては深い意味を発見できるものであり、これは儀礼にも共通 すると述べられます。
最後に天岸氏は、儀礼には多くの方と宗教的感動を共有するという芸能性が重要なのではないかと、まとめられました。
今後、儀礼を行うにあたって「芸能」の要素を考えていくという視点を提供していただいた対談であったと思います。