仏教音楽・儀礼研究室では、浄土真宗の儀礼について様々な角度から対談する「本願寺茶房」を開催しています
2014年1月31日 本願寺聞法会館にて開催
【所感】
今回は、小野真氏をお招きし、「儀礼空間の『音』の力」と題して、亭主、天岸淨圓氏と対談いただきました。
小野氏は、「聖なるもの」と出会う場が儀礼であり、「音」は聖なる空間を形成し、神仏のイメージや宗教的な思想を伝える媒介であると語られました。そして、「聖なるもの」と出会うときの感性には西洋と東洋の差があるとされ、一神教と仏教における音楽のとらえ方の違いに話は展開します。
さらに、「宗祖讃仰作法 第三種」を例に、現代の儀礼の可能性について意見が交わされました。
最後に天岸氏は、浄土真宗では儀礼に備わる呪術的な点が問題となる場合もあると指摘されました。その上で、親鸞聖人にならい物事を分別していくことにより、「聖人のこころにかなった儀礼」が見えてくるのではないかと語られました。
今後、私たちが法要に参拝するとき、その空間で用いられている「音」に注目する視点を提供していただいた対談であったと思います。