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第6回 行ってきました“親鸞さまの道”

かねてより、本山への参拝・団体参拝の折に、市中ご旧蹟めぐりのプランや解説が欲しいという声をよく聞きます。
そこで当研究所(仏教音楽・儀礼研究室)では、かつて親鸞聖人が歩かれた(とされる)「道」に着目しました。史実と伝承が織りなす豊かな「道」を私たち自身が〈歩く=体感する〉ことで、聖人のご生涯に思いを馳せ、新たな気持ちでみ教えをいただきませんか。
近年の"歩き"ブームの要素も取り入れつつ、宗教には欠かせない儀礼の「身体性」や「伝承」を体感することを目的に、新しい「巡拝」のスタイル“親鸞さまの道”を提案しています。

2013(平成25)年6月9日、一緒に歩こう”親鸞さまの道”(第6回)ツアーを実施しました。今回の「吉水時代のご旧蹟と念仏道場編」は、親鸞聖人が専修念仏(せんじゅねんぶつ)に帰入(きにゅう)されてから越後ご配流(はいる)に至るまでに関わる京都東山にあるご旧蹟を中心に巡るコースです。

今回のコース

ツアーの様子

 

本願寺聞法会館に集合し、音楽礼拝と出発式を終え、いざ東山へ。円山公園近くでバスを下車し、観光客で賑わう園内を歩いて東へ ――  まず訪れたのは安養寺。ここは法然聖人の吉水(よしみず)草庵跡と伝えられ、六角堂(ろっかくどう)にて夢告(むこく)を受けた親鸞聖人も通った場所とされています。近代以降、境内は円山公園の開園などもあり、随分と様変(さまが)わりしました。そのため、江戸時代の絵図を参照しながら境内やその周辺を巡り、最後に本堂にてお参りさせていただくという行程をとりました。本堂内陣には「親鸞聖人信決定御満足尊像(しんらんしょうにんしんけつじょうごまんぞくそんぞう)」がご安置されており、ご尊名の通り、専修念仏帰入を喜ばれて、微笑まれたお顔立ちをされていました。

次に、隣接する知恩院(ちおんいん)の境内を通って北へ向かい、親鸞聖人お得度時の師とされる慈鎮和尚(じちんかしょう)(慈円)が住持した青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)へ。まずは親鸞聖人お得度ゆかりの植髪堂(うえかみどう)を参拝。その後、本堂、宸殿(しんでん)、小御所(こごしょ)などを順次、拝観しました。

昼食を挟んで、さらに北上し “哲学の道”経由にて、親鸞聖人ご配流の契機となった、いわゆる“承元(じょうげん)(建永)の法難(ほうなん)”にまつわる鹿ケ谷のご旧蹟・安楽寺(あんらくじ)を参拝しました。当日はちょうど和讃法要が営まれ、寺伝の「安楽寺松虫姫鈴虫姫和讃」を拝聴させていただきました。参加者の皆さんは真剣な面持ちでこの和讃に聴き入り、あらためて儀礼空間における「音声(おんじょう)」の力を実感していただけたかと思います。

その後、法然聖人開基の念仏道場である金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)を参拝。

最後に、親鸞聖人が吉水時代と帰洛後にしばらくお住まいになったとされる岡崎草庵のご旧蹟・岡崎別院(真宗大谷派)にてお勤めをさせていただきました。

 

文・渡邊 勇祐(研究助手)

参加者の声―当日のアンケートから―

・丁寧で判り易い言葉での解説や案内がとても良かった。(60代・女性)

・個人ではなかなかお参りできない聖人ゆかりの地を巡らせていただきました。少しではありますが、当時を偲ぶことができたと思います。(60代・女性)

・実際に歩くことにより親鸞聖人が法然聖人の元に通われた距離感が実感出来ました。(60代・女性)

・友人、知人にも声をかけ、一緒に参加してもらいました。今後も輪を広げて行きたいと思います。(70代・男性)