かねてより、本山へ参拝・団参の折に、市中ご旧蹟めぐりのプランや解説が欲しいという声をよく聞きます。
仏教音楽・儀礼研究室では、かつて聖人が歩かれた(とされる)「道」に着目しました。史実と伝承が織りなす豊かな「道」を私たち自身が〈歩く=体感する〉ことで、聖人のご生涯に思いを馳せ、み教えを新しい気持ちでいただきませんか。
近年の"歩き"ブームの要素も取り入れつつ、宗教には欠かせない儀礼の「身体性」や「伝承」を体感することを目的に、新しい「巡拝」のスタイル=「親鸞さまの道」を提案していきます。
2011(平成23)年11月28日、当研究所主催「一緒に歩こう”親鸞さまの道”」ツアー(第4回)を実施しました。今回の「帰洛後の親鸞聖人編」は、本山界隈から東山方面を全て徒歩で巡るコースです。
今回のコース
ツアーの様子
聖人御自作と伝わる「そば喰い木像」がある法住寺
まず訪れたのは東本願寺。当日はちょうど七百五十回御正当(ごしょうとう)報恩講の最中でした。有名な坂東節(ばんどうぶし)の声明(しょうみょう)が行われ、境内は人であふれ熱気に包まれていました。その後、渉成園(しょうせいえん)を経て正面通りを東へ進み、三十三間堂向かいの法住寺(ほうじゅうじ)にて、親鸞聖人そば喰い木像にお参りしました。前回(第3回)ツアーで参拝した延暦寺大乗院のそば喰い木像とまた違ったお姿のようでした。
午後からは、大谷本廟で蒲池勢至委託研究員から大谷墓地に関する解説を聞き、親鸞聖人荼毘所(だびしょ)へお参りしました。さらに、紅葉見物の人々で賑わう清水坂を通り、今度は一路西へ。聖人が晩年を過ごされた「花園御所(はなぞのごしょ)」跡と伝わる大泉寺(浄土宗)では、茶菓子とざくろの接待を頂きました。朝から歩き通しで疲れを感じていたところで、ほっと一息つくことができました。その後、聞法会館に到着し解散となりました。
参加者の声― 当日のアンケートから ―
- ・東本願寺などご縁がないと思っていましたが、今回訪問でき参加した事を嬉しく思います。(70代・男性)
- ・毎回解説が聞けて(知らない事も有り)為になります。蓮如様のご旧蹟も含めて範囲を広げて頂いてもと思います。(60代・男性)
- ・京都でもあまり知らないお寺を巡り、お参りが出来てよかった。(60代・女性)