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仏教音楽への招待
本の紹介
  • 飛鳥 寛栗 (あすか かんりつ)
  • 出版社・取扱者 : 本願寺出版社
  • 発行年月 : 008年3月20日
  • 本体価格 : 本体1,500円+税

はしがき
I 四季いろいろ
II 讃歌の流れ
III それぞれのご縁
要語解説
人名索引
あとがき

本書は、仏教音楽にかかわる60編のコラムをまとめたもので、浄土真宗本願寺派の機関紙に1年間にわたり連載された内容を骨子としている。著者は、今年93歳を迎える富山県の浄土真宗本願寺派寺院の前住職で、これまでにも仏教音楽に関わる著述数冊を公にしている。

本書は3部構成で、第1部「四季いろいろ」では、花まつりや報恩講など仏教行事にゆかりのある仏教音楽が紹介されている(コラム15編)。第2部「讃歌のながれ」では、明治初年から今日に至るまでの仏教音楽の様々な系譜を概観できる(コラム25編)。第3部「それぞれのご縁」では、仏教音楽というファインダーを通して浮かび上がってくる、意外な音楽関係者や仏教者を紹介している(コラム20編)。

「私は仏教讃歌こそ、日本のいのちの歌であってほしいと願っています」という言葉に象徴されるように、本書は全編にわたり、著者の仏教音楽に対する惜しみない愛情に溢れている。仏教音楽のあるところとは仏教伝道の場なのであるから、仏教音楽の盛衰はそのまま仏教伝道の盛衰に呼応している、というのが著者の思いではなかろうか。


評者:石上 和敬(教学伝道研究センター常任研究員、武蔵野大学講師)


掲載日:2008年7月10日