- 出版社・取扱者 : 自照社出版
- 発行年月 : 2014年4月8日
- 本体価格 : 本体1,000円+税
目 次 |
はしがき プロローグ 「気づかぬ」視点 1 「この世は娑婆」という視点 2 「無常とはわが身のこと」という視点 3 「わが煩悩は根深い」という視点 4 「合理主義だけではいけない」という視点 5 「生まれ甲斐」という視点 6 「光は彼方から」という視点 7 「浄土の光は只今も」という視点 8 「念仏は最も具体的」という視点 9 「=この世からの救い=いつも光の中に」という視点 10「=この世からの救い=愚痴が感謝に変わる智慧」という視点 11「=この世からの救い=仏恩に生きる」という視点 12「他のために生きる」という視点 エピローグ 「御はからいの中に」という視点 あとがき |
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著者は、福井医科大学名誉教授であり、真宗出雲路派了慶寺の住職でもある藤枝宏壽氏。80歳を迎えることを機縁とし、自らの“いのち”を見直す「視点」を確かめたく思い、本書を執筆したとのことである。
「日頃の心・常識で視ているとわからないことが、ふと視点を変えると今まで見えていなかった世界が見えることがあります」(あとがき)とあるように、仏教とくに浄土真宗の視点から、世俗的・自己中心的人生模様を見直す内容となっている。この「視点」によって人生模様が見直される時、そこには「人間として生まれてきた甲斐」(生まれ甲斐)が見出されることとなる。評者は本書を読み、この「生まれ甲斐」の視点こそが、本書の中心となるべき内容であり、その視点によってこそ、真に“いのち”を見直すことが可能となるのであろうと考えさせられた。「『人生の意味』『いのちの行方』に心を向けないということでは、真に人間として生きる大切な視点が欠けてしまうということを強調したい」(48ページ)との文は、本書の核心に触れるものであろう。
尚、本書は法話形式であり専門用語(解説付き)が多く、仏教、あるいは浄土真宗について多少の知識を有していた方が読みやすいと思われる。
評者:網代 豊和(浄土真宗本願寺派総合研究所研究助手)
掲載日:2014年11月10日