- 出版社・取扱者 : 法蔵館
- 発行年月 : 2014年3月27日
- 本体価格 : 本体1,500円+税
目 次 |
はじめに 一、本願を聞く 二、真宗を学ぶ姿勢 三、やわらかな眼 四、南無阿弥陀仏の救い 五、愚者になりて往生す あとがき |
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本書の題名である『やわらかな眼』を身につけるというのはどういうことだろうか。著者は本文で、「それまで見えなかったものが見えるようになるということ」(138ページ)、だと述べている。宗教のはたらきとはまさに、私の物事を見る視野を広げてくれるものなのである。
著者の前著『やわらかな眼』(本願寺出版社、2005年)は、「読者に新しい視点を提供する」という基本姿勢で執筆された法話集であった。本書は、それに法話9編を加えた増補版である。短く、わかりやすくまとめられた法話は読みやすいだけでなく、論理的で、なおかつ感性に訴える内藤氏ならではのものである。また、一つ一つの話の後には、その法話に込められた著者の想いをつづった一文が添えられており、より一層心温まる文章に引き込まれていく。
かたい眼、つまり世間の常識に捕われ、自分の物の見方、考え方が絶対的だと思って日暮らしをしてしまいがちな私たちだが、本書を読むことによって、また違った角度から物事を見る事ができ、大切なことに気づかされていくのではないだろうか。
評者:岩田 香(浄土真宗本願寺派総合研究所研究生)
掲載日:2014年11月10日