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仏教の来た道
本の紹介
  • 鎌田 茂雄 (かまた しげお)
  • 出版社・取扱者 : 講談社(講談社学術文庫)
  • 発行年月 : 2003年3月10日
  • 本体価格 : 本体1,050円+税

第1章 熱沙の伝道
第2章 灼熱の求法
第3章 石窟の浄土
第4章 南朝四百八十寺
第5章 末法到来
第6章 天台の聖地
第7章 華厳の風光
第8章 密教の水源
第9章 禅の源流
第10章 仏教東漸
終章  東アジアの仏教交流

中国仏教史を専攻する著者が、中国仏教の歴史を文庫で語った1冊。まず、仏教がどのようなルートで中国へ伝わったかを述べ、その主なルートであったシルクロードの国々やその地の仏教に触れ、そして多くの経典を翻訳した鳩摩羅什(くまらじゅう)や、中国から困難な道のりを経てインドへ仏教を求める旅に出た法顕(ほっけん)や玄奘(げんじょう)など、中国へ仏教を伝えた人々の活躍を描く。

さらに、敦煌や雲崗、龍門など中国の主な石窟やそこに刻まれた仏像、唐の杜牧(とぼく)の詩に「南朝四百八十寺」と謳われた江南の主要寺院を、写真を交えて紹介する。

また、中国における末法思想やそれにともなう浄土教の展開、天台宗、華厳宗、密教、禅宗といった、中国仏教の様々な宗派を、日本や朝鮮半島の仏教への影響も念頭に置きながら説明している。簡略ではあるが、朝鮮半島の仏教についても取り上げている。

巻末に地図や年表、索引を掲載。


評者:多田 修(教学伝道研究センター研究助手)


掲載日:2008年4月25日