- 出版社・取扱者 : 青弓社
- 発行年月 : 2010年10月22日
- 本体価格 : 本体2,000円+税
目 次 |
はじめに(石井 研士) 第1部 スピリチュアリティとテレビの共犯関係 第1章 バラエティ化する宗教とテレビ(小城 英子) 第2章 テレビメディアで語られるスピリチュアリティ −日本とアメリカの事例から(小池 靖) 第3章 スピリチュアルとそのアンチ −江原番組の受容をめぐって(堀江 宗正) 第4章 放送コードと霊能者(菅 直子) 第5章 「動物と話せる女性」の世界 −テレビに描かれる「共存と癒し」の物語(葛西 賢太) 第2部 宗教をめぐる報道とステレオタイプ 第6章 昭和三十年代(一九五五−六四年)の大本とテレビ(榎本 香織) 第7章 NHKプライムタイムでの宗教の扱いについて(井上 俊) 第8章 白装束集団に対する集中報道はなぜ起こったのか(石井 研士) 第9章 ステレオタイプ化する宗教的リアリティ(石井 研士) |
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本書の編著者、石井研士・國學院大學教授は、マスメディアと宗教の関係について造詣が深いことで知られている(『テレビと宗教』の書評も参照されたい)。マスメディアと宗教との関係を扱った本書には、その石井氏を中心とした、各分野の研究者たちによる論文が多数収められている。第一部は主にテレビ番組と「スピリチュアリティ」をテーマとした論考を、第二部はテレビの報道番組における宗教の取り扱われ方に関する論考を、それぞれ収録している。
マスメディアから流れてくる宗教情報の内容については、ほとんど意識されることがない。しかし、宗教者と直に接する機会が稀になった現代にあって、マスメディアが流す宗教情報が人々の宗教観形成に果たす役割は、無視できないものがある。本書に収められた諸論考は、マスメディアが流す宗教情報に潜む、さまざまな問題点を明らかにしている。マスメディアのあり方や、現代日本における「宗教性」について考える上で、さまざまな材料を提供してくれる一冊である。
評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2011年2月10日