- 出版社・取扱者 : 自照社出版
- 発行年月 : 2008年4月10日
- 本体価格 : 本体1,800円+税
目 次 |
『親鸞と如信』関係地図 親鸞と如信および門弟関係系譜 真宗十派歴代(第三世まで)と本山 第1章 親鸞と如信 第2章 如信の誕生と親鸞 第3章 善鸞の事件と如信の関東下向 第4章 如信の関東での活動 第5章 如信の信仰と覚如の『口伝抄』 第6章 大網門徒の成立と如信の入滅 第7章 大網門徒の展開 第8章 歴史のなかの親鸞と如信 『親鸞と如信』関係年表 あとがき |
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著者は、筑波大学名誉教授(日本中世史、仏教史)。これまで、親鸞聖人とその家族の人間関係を考察した、多数の著書、論文を著している。
本書は、著者が1995年に著した『如信上人』(真宗大谷派東京教務所)をもとにして新たに書き直したものである。親鸞聖人の孫にあたる如信上人は、後に本願寺第二世に位置付られたことから見ても、初期の真宗教団において一定の影響力を持っていたと考えられる(178ページ)。しかし、関係資料の乏しさもあって、その実像には未解明の点が多い。本書は、如信上人と、その周囲の人々 -親鸞聖人(祖父)、善鸞(父)、覚信尼公(叔母)、覚如上人(覚信尼公の孫、本願寺第三世)、関東各地の初期門徒集団- との関係に焦点を当て、限られた資料の中から、その人物像に迫っている。著者はまた、歴史資料の解読に、現代の価値観や論理を適用する危険性をたびたび指摘し、初期浄土真宗の姿に関する独自の視点を投げかけている。
評者:網代 豊和(教学伝道研究センター研究助手)
掲載日:2008年7月10日