- 出版社・取扱者 : 講談社(講談社学術文庫)
- 発行年月 : 2008年10月10日
- 本体価格 : 本体1,050円+税
目 次 |
はしがき 第一章 真宗の開創 第二章 本願寺の形成 第三章 真宗教団の発展 第四章 戦国動乱と本願寺 第五章 幕藩体制と真宗教団 結び 参考文献 解説(草野 顕之) 索引 |
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本書は、戦後の一向一揆研究を代表する名著『一向一揆の研究』(吉川弘文館、1968年)の著者・井上鋭夫氏による本願寺の通史である。
親鸞聖人の生涯と思想、関東における初期教団の実態、寺院としての本願寺の形成過程、教団の発展過程などを論じながら「十三世紀初頭から十九世紀までの七百年に及ぶ寺史と教団史を描く」(解説)本書の特徴は、本願寺の発展過程を「その発展の背景をなす日本の社会・政治・経済・思想と関連させつつ叙述」(はしがき)しようという著者の姿勢にある。
本書は著者による『本願寺』増補版(至文堂、1966年)の文庫化であるが、著者の提唱した「ワタリ・タイシ」論の祖型や、本願寺の教団機構の分析などといった、今日においても重視されている話題が随所に見られ、その価値はいっこうに色褪せていない。
評者:爪田 一壽(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2009年1月13日