目 次 ・ 収 録 内 容 |
●特集 「深掘り歎異抄 その2―『いつでも歎異抄』刊行記念―」 「B4 第四条の背景は?」 「B5 〈後序〉の文が入れ替わっている?」 「B6 〈流罪記録〉は何のために?」 「B7 第三条の〈悪人〉とは?」 「B8 親鸞聖人は何も知らない?」 「深掘りコラム3 正確だった流罪記録」 「深掘りコラム4 『歎異抄』の楽しさ」 『いつでも歎異抄』(本願寺出版社)の刊行を記念した「深掘り歎異抄」のパート2です。 今回も、「歎異抄エレベーター」に乗り込み、『歎異抄』の奥深い世界へ降りていきます。『歎異抄』を深掘りすると見えてくる親鸞聖人の思い、唯円の思い、そして阿弥陀仏の大悲のおこころ。『歎異抄』の魅力をご一緒に発見しましょう。 ●はじめの一歩1 江戸時代の庶民的な仏教書とお説教 5 和田恭幸 「近世中期の勧化本(二)―勧化本に記された名調子―」 名布教使のお説教の秘訣を知りたい方は多いでしょう。江戸時代中期の菅原智洞は、説教台本(勧化本)の大家であり、説教の名手としても知られた僧侶でした。今回は智洞の著書から彼の名調子の秘密を探ります。思わず唸る細やかな工夫や心遣い、知らずにいるのはもったいないです。 ●はじめの一歩2 幸せってなんだろう―悪人正機の倫理学―19 藤丸智雄 「鬼となった人間の現代―怪力だからこそ、仏教が必要―」 今回も、仏教と「鬼」について考えていきます。昔話『桃太郎』に代表されるように、「鬼」たちはたびたび、悪者の象徴として描き出されます。しかし、鬼たちは、ただ悪いだけの存在ではないようです。仏さまの教えと鬼との関係を掘り下げながら、鬼とはなにか、さらには人間とはいかなる存在かを学んでいきます。 ●聖典セミナー 『恵信尼消息』(新) 山本攝叡 「二月十日の手紙」 『恵信尼消息』は、親鸞聖人の妻・恵信尼さまが娘の覚信尼さまに出されたお手紙です。そこには親鸞聖人の比叡山時代や法然聖人との出会い、さらには妻としてしか知り得ない聖人の苦悩・葛藤なども綴られており、自身については沈黙を貫いた親鸞聖人を知る上で最重要の史料といえます。解説の山本先生は、長年『恵信尼消息』の研究をされてこられました。先生には謎多き消息を精緻な考察で読み解き、親鸞聖人その人に迫っていただきます。 ●せいてん誌上講演 『蓮如上人御一代記聞書』7 稲城選惠 「自力心が諸悪の根源」 「あの人は性格が悪い」「あの人は自己中心的」……。私たちは、日々、自分自身のことは棚上げして、人の善し悪しを勝手に判断してしまっています。稲城和上はこの判断のもとになるものは「理性」であり、理性から争いが生まれると言われます。常識的には善いものとされる理性が問題となるのは、なぜなのでしょうか。 ●ほとけのいる景色―アジャンター石窟寺院 11 打本和音 「ことばと造像」 アジャンター石窟がいつ頃から造営され、どれだけの間、どんな人々に支えられ、そして、いつ、深い緑に飲み込まれていったのか――長きにわたり様々な調査が進められていますが、依然として謎に包まれている部分は多くあります。もしも文字による記録があったなら、もっと多くのことがわかったかもしれません。しかし、記録よりも記憶を重んじる傾向にあるインドでは、歴史が文字のかたちで残されるのは稀なのです。そんな状況下だからこそ、様々な謎を解くカギとして長らく期待を寄せられているのが、銘文です。今回は、壁画や彫像とともに壁面に残されたことばから、アジャンターを見てみましょう。(本文より) ●せいてん華道教室(終) 弓場洋子 「華道の精神―いのちの教え」 華の道(いけばな)は一日にしてならず。先人達は、長い歴史の中で、花のいのちと向き合い、そのいのちの輝きを表現してきました。彼らがいけばなに託し、今に伝えた教えとはいったい何だったのでしょうか。「せいてん華道教室」最終回は、華道の精神についてのお話です。 ●法語随想 3 四夷法顕 「安楽浄土にいたるひと 五濁悪世にかへりては 釈迦牟尼仏のごとくにて 利益衆生はきはもなし」 浄土真宗は、浄土において仏とならせていただく教えです。では、その仏とは一体どの様なお方でしょうか。もちろん、さとりをひらいた方、真実に目覚めた方であることは言うまでもありませんが、それで終わりではありません。阿弥陀さまのもとで、仏となってなお、私を導いてくださるおはたらきについて、四夷先生のお味わいを聞かせていただきます。 ●読者のページ せいてん質問箱 3 川元惠史 「『中央公論』と本願寺の関係は?」 仏教・浄土真宗の教えや仏事に関する読者の皆さまの身近な疑問にお答えするQ&Aコーナー。川元先生の「質問箱」第3回目は、総合雑誌として有名な『中央公論』の創刊に、実は、本願寺の僧侶や教育機関が関係していたというお話です。近代化の道を歩んでいた明治期、本願寺の教育機関ではどのように近代化の時流を受け入れ、またどのような学風が『中央公論』の創刊につながったのでしょうか ●人ひとみな 私のお寺づくり 3 松﨑智海 「SNSの心構え」 SNSに限らず何かメッセージを発信すると、批判や攻撃をしてくる、いわゆる"アンチ"と呼ばれる方に遭遇することがあります。今回は、たくさんのフォロワーをもつ松崎住職がどのように"アンチ"に対応しているのか、教えていただきました。 ●一緒に歩こう―親鸞さまの道―2 「比叡山時代」 比叡山延暦寺は、延暦七(七八八)年、伝教大師最澄が一乗止観院を建立したことに始まります。「日本仏教の母山」とも称され、多くの宗派の宗祖が学びました。親鸞聖人もそのお一人で、九歳で得度をされてから二十年間修行をされました。今回は、親鸞聖人ゆかりの要所をめぐり、その足跡を訪ねてみたいと思います。 |
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季刊せいてん no.136 2021 秋の号 |