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季刊せいてん no.130 2020 春の号
  • 著者: 浄土真宗本願寺派総合研究所編
  • 刊行年月: 2020/3
  • サイズ: B5判
  • ページ数: 66ページ
  • 価格: 本体637円+税
  • 出版社・取扱者: 本願寺出版社






●特集 「とにかくお念仏することだな―梯實圓和上をしのぶ」
  「七回忌にあたって」梯 信暁
  「梯和上のこと」山本攝叡
  「はぁい、どぉもどぉも…」星野親行
  「行信教校と梯和上」
  「『季刊せいてん』の梯和上」大在 紀

本年5月、現代を代表する真宗教学者のお一人であり、本誌を創刊から支えてくださった本願寺派勧学・梯實圓和上の七回忌をお迎えします。本特集では、生前のご本人のお言葉やご子息をはじめとする有縁の皆様のお言葉によって、お念仏とともに生きられた和上の人生に迫ります。



●はじめの一歩1 真宗〈悪人〉伝 19 井上見淳
  「善信房親鸞(四)」

法然聖人のもと、「御同朋」として心を寄せ合った仲間のうち、四名が死罪、法然聖人と善信(のちの親鸞聖人)を含めた八名が流罪となった承元の法難。善信にとって本当にかけがえのない時間を過ごした、あの浄土宗教団は引き裂かれてしまいました。善信は憤る思いを抱えながら、妻・恵信尼さまとやっとのことで越後の地へ到着します。寒風吹きすさび、際限なく降り続いてはうずたかく積もる雪。そこは、京の地とはまるで別世界でした。そんな中、阿弥陀如来を念じ、法然聖人のすがたを思い出しながら、二人は心を温めあって過ごします。善信は越後への流罪を機に「親鸞」と名のるようになり、みずからの立場を「非僧非俗」だと宣言します。そこには法然聖人への深い思慕と、その法義を継承する遺弟としての並々ならぬ決意が込められていました。親鸞聖人が念仏聖として、悩みながら、生き方を模索されていく越後~関東篇です。



●はじめの一歩2 幸せってなんだろう―悪人正機の倫理学― 13 藤丸智雄
  「カレーから考える善悪と救いの関係」

今回は、仏教とカレーの意外な関係がテーマ。仏教もカレーもインド発祥なのだから意外でもなんでもないように思えますが、掘り下げてみるとそこには複雑にからみ合う因縁がありました。実は現代的なカレーは仏法の倫理の副産物だった(といえなくもない)のです。そして、そこからさらに踏み込んで、親鸞聖人が説いた倫理の意味を考えてみましょう。



●聖典セミナー 『唯信鈔文意』9 安藤光慈
  「めぐまれる信心」

法然聖人は、往生の行はただ念仏一つであり、菩提心などの行は捨てられると示されました。しかし、「私は最高のさとりをひらいて一切衆生を救う仏に成ろう」という菩提心は大乗仏教の根本です。それを捨てて仏教といえるのか。この問題に親鸞聖人は、ただ念仏一つといただく信心こそ、如来からめぐまれる信心であり、この私を一切衆生を救う仏と成らせるはたらきがすべてそなわっている菩提心であると示されるのです。



●せいてん誌上講演 『蓮如上人御一代記聞書』(新) 稲城選惠
  「めずらしいことを聞かない、説かない」

稲城選惠和上七回忌の年に、和上のご遺稿の連載をはじめさせていただくご縁を頂戴しました。蓮如教学の第一人者である和上の『御一代記聞書』講座です。
まずは初回にふさわしく?「また同じ話か」と仏法をわかったつもりになっている者に対する蓮如上人のお言葉を、深く味わわせていただきましょう。



●ほとけのいる景色―アジャンター石窟寺院 5 打本和音
  「日本人の見たアジャンター 2」

アジャンター石窟と日本との関係を考えるとき、あるひとりの男の話をしておかなくてはなりません。ときは明治。飛行機の実用化もされていない時代に、遙か遠いインドの仏教寺院のことを日本に紹介した人物がいました。しかもその人物は、僧侶ではありません。
前号でふれた廃仏毀釈は、僧侶たちのみに影響を及ぼしたわけではありませんでした。古刹や仏像が破壊、あるいは海外流出していく状況に心を痛めた日本人は多くいました。彼らはやがて、日本の伝統を形作る際に一役買ってきた仏教への関心を高め、そのふるさとであるインドへも注目するようになります。そうした雰囲気のなかで、アジャンター石窟は、インド国内でも珍しいその美しい古代壁画の存在によって、知名度を高めることとなるのです。今回は、アジャンター石窟の存在を日本に知らしめた人物の瞳をとおして、アジャンター石窟を見てみましょう。



●せいてん茶道教室 2 清基秀紀
  「茶道の想像力」

茶道は決まったお道具を使い、茶室という閉ざされた空間でお茶会をします。
しかし、そこから無限の世界が広がります。想像力が刺激されるのです。その想像力とは何なのか、今回はそのお話をすることにします。



●法語随想 1 武田一真
  「煩悩障眼雖不見 大悲無倦常照我」

今号からご執筆いただくのは、広島県龍仙寺住職・布教使・宗学院研究員と各方面で活躍されている武田一真先生です。広島と京都を忙しく往復する日々の中、京都駅で見かけた旅行者の親子の姿を通して、見えないけど照らしつづけてくださっている仏さまのひかりを味わわれます。



●読者のページ せいてん質問箱 3 壬生泰紀
  「『観経』はどこで成立したの?」

仏教・浄土真宗の教えや仏事に関する読者の皆さまの身近な疑問にお答えするQ&Aコーナー。『観経』というお経における大きな謎。それは、このお経がどこで成立したのかという成立場所の問題です。お経なのだからインド、と思われるかもしれませんが、そのインド成立説が疑問視されているのです。では、どこなのか。『観経』の構成から分析し、この謎に迫っていただきます。



●人ひとみな ニュートラルな考え(新) 朝倉行宣
  「〈変わっていくこと〉が変わらない」

プロジェクターや舞台照明による“光”とテクノのリズムで、勤行を現代的にアレンジした「テクノ法要」を行う朝倉行宣さん(福井教区一乗組照恩寺住職)の登場です。朝倉さんは、20代の頃に京都で舞台照明の仕事やDJ活動を行った後、2015年に照恩寺第17代住職を継承して「テクノ法要」を始められました。「テクノ法要」にかける想いを綴っていただきます!



●念仏者はいま 青少年問題カウンセラー・外松太恵子さん
  「立ち位置はお念仏」

お念仏を依りどころとして日々を送られている方にお話をうかがうコーナー。「カウンセラー」という言葉が世の中に定着する以前からずっと、悩みや問題を抱えた青少年に本気で向き合ってきた一人の念仏者がいます。今回は、福岡県北九州市門司在住の青少年問題カウンセラー・外松太恵子さんに、これまでのカウンセラーとしての歩み、お念仏との出遇い、そしてそのはたらきに支えられてきた人生についてお話をうかがいました。



●西の空 心に響くことば
  「レンゲ草」(榎本栄一)

心に響く言葉を美しい写真とともに味わう、ほっと一息つくことのできるコーナー。素朴な言葉で人生のまことをうたった「市井の仏教詩人」榎本栄一さんの詩をお届けしています。春に田んぼや野原でみかけるレンゲ草(蓮華草。学名はギリシア語で「くるぶし」の意)。ギリシア神話には、花摘みに出かけた仲良し姉妹の姉が、妖精が変身した可愛らしいレンゲ草を誤って摘み取ったため、くるぶしからみるみるうちに草に変わってレンゲ草になってしまった、という悲しいお話があるそうです。榎本さんはどんな想いで野に咲くレンゲ草を見ていたのでしょう。