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季刊せいてん no.128 2019 冬の号
  • 著者: 浄土真宗本願寺派総合研究所編
  • 刊行年月: 2019/9
  • サイズ: B5判
  • ページ数: 66ページ
  • 価格: 本体649円+税
  • 出版社・取扱者: 本願寺出版社






●特集 「詳しく学ぶ 二河白道のたとえ」
  「〈二河白道のたとえ〉って何?」編集室
  「了祥さんの〈二河白道図〉」沓名奈都子
  「〈二河白道のたとえ〉のあらまし」編集室
  「絵解き〈二河白道のたとえ〉」沓名奈都子×編集室

広野をゆく旅人が、恐ろしい盗賊や獣に襲われながらも、水の河と火の河の中間にのびる白い道を進み、西の岸にたどりつく――。「二河白道のたとえ(譬喩)」は、浄土真宗の教えのかなめがやさしい物語の中に余すところなく表現されています。今回は、「たとえ」の内容を最も正確に描いたとされる三幅の「二河白道図」(萬徳寺蔵)を見ながら、そこに表された教えについて詳しく学びます。



●はじめの一歩1 真宗〈悪人〉伝 17 井上見淳
  「善信房親鸞(二)」

越後に住んでいた恵信尼さまは、京都に住む末娘の覚信尼からの手紙によって夫・親鸞聖人の往生を知りました。娘が手紙で語った父の往生を案じる悲痛なほどの不安に対し、彼女は夫と歩んだ日々について、娘に知らせておく必要があると決断します。恵信尼さまの追憶は、比叡山で苦悩する若き日の範宴(親鸞聖人)のすがたに行き着きました。比叡山での壮絶な修行に結果の出ない焦りの中で、彼は「法然」という存在を知ります。「山に残るべきか、法然のもとへ行くべきか」。彼は激しい葛藤の末、結論を六角堂の聖徳太子(観音菩薩)にゆだねることにしました。夢のお告げにより彼は法然聖人のもとに向かっていくのですが……。今回は法然聖人との出会いを経た法然門下での研鑽篇です。



●はじめの一歩2 幸せってなんだろう―悪人正機の倫理学― 11 藤丸智雄
  「不安と倫理」

出かける時にちゃんと玄関の鍵を閉めたかどうかとか、自分や家族の将来のこととか。まことに不安の種というのは、大小さまざま、尽きることがありません。この厄介な不安というものを倫理的に掘り下げていくと、仏教には、まさしく不安についての重要な教えが説かれていることに気付かされます。不安はどうやったら消すことができるのでしょうか。あるいは、不安は消すべきなのでしょうか。いま不安を抱えている人も、いない人も、一緒に考えてみましょう。



●聖典セミナー 『唯信鈔文意』7 安藤光慈
  「救われるのは誰か」

今回は、前々回(126号)から続く『五会法事讃』の八句のご文のうち、第七・八句「但使回心多念仏 能令瓦礫変成金」についての親鸞聖人の解釈を学びます。聖人は特に「回心」の解釈において、阿弥陀仏の救いの特徴を独特な言葉遣いによって表されており、安藤先生はそこに込められた聖人の意図を読み解いてくださいます。阿弥陀仏の救いとはどのようなものであり、そして誰を目当てにしているのでしょうか。



●せいてん誌上講演 「正信偈」27 梯 實圓
  「法然聖人(4) 善悪を超えた世界」

法然聖人が、阿弥陀仏の本願の教えとの出遇い(回心)によって見定められたのは、ありのままの私たちがスッポリと包み込まれるような世界でした。今回は、法然聖人の〈回心〉の内実を教義的に示された主著『選択本願念仏集』の要点と、「善人は善人のまま、悪人は悪人のまま」といわれた聖人のおこころをうかがいます。



●ほとけのいる景色―アジャンター石窟寺院 3 打本和音
  「石窟の条件」

アジャンター石窟のみならず、千を超すインドの石窟寺院のほとんどは、実は西インドに存在しています。これにはきちんと理由があり、開鑿に適した玄武岩質の山地があることと、年間を通じて僧侶たちの居住や修行に適していることが指摘されています。今でこそ遺跡のイメージが強いアジャンター石窟寺院ですが、もともとは比丘たちの修行や生活の場でありました。修行僧だって人間ですから、あまりに過酷すぎる環境では「心穏やかに瞑想」というのはちょっと難しかったのでしょう。暑くて、乾燥していて、過ごしにくいイメージの強いインドですが、仏跡の多い北方と異なり、石窟寺院が密集する西インドは比較的穏やかな気候の場所なのです。そして石窟の周りには、豊かな自然と生き物たちの姿が見られます。今回は、石窟をとりまく環境と、開鑿されるための立地条件に、目を向けてみたいと思います。



●せいてん書道教室(終) 角屋あづさ
  「応用編」

これまでの連載(no125~127)では、漢字を書く時に四つの四角形にあてはめて書いてみる、という方法を紹介しました。 「あれ!?この漢字はどれにあてはまるんだろう?」と思われた方はおられませんでしたか。今回は、例外的な文字にふれて、「せいてん書道教室」のまとめとしていただきます。



●法語随想 3 舟川智也
  「超日月光この身には 念仏三昧をしえしむ
    十方の如来は衆生を 一子のごとく憐念す」

福岡県行橋市の両徳寺のご住職で、布教使としても活躍されている若手僧侶・舟川智也先生の法語随想をお届けしています。今回は、娘さんとのお風呂でのエピソードを通して、世間の価値観を超えた阿弥陀さまの救いの世界をお示しくださいます。浄土真宗の魅力をどうぞお味わいください。



●読者のページ せいてん質問箱 1 壬生泰紀
  「〈阿弥陀〉の原語って、なに?」

仏教・浄土真宗の教えや仏事に関する読者の皆さまの身近な疑問にお答えするQ&Aコーナー。今号から龍谷大学の壬生泰紀先生がご担当くださいます。第一回の質問は、「阿弥陀」という言葉の起源について。「あ、それ知ってる」という方にこそ是非ともご一読いただきたい、最新の学説をふまえてのお答えです!



●人ひとみな ナモアミダブツ in カリフォルニア 3 桑原浄信
  「メンバー中心のお寺」

北米をはじめ海外に数多く設立されている浄土真宗のお寺。その運営にはいくつかの特色が見られます。お寺をお預かりする僧侶(開教使)の異動、ご門徒(メンバー)の代表が話し合って意志決定がなされる理事会、そして、メンバーはじめ多くの方々の協力で開催される、募財のための大規模なバザー。バークレー仏教会の事例を通してご紹介します。



●念仏者はいま 沖縄別院総代・石川八代子さん
  「沖縄に咲いた南無阿弥陀仏の花」

今回より新たに、「念仏者はいま」と題して、各地でお念仏を依りどころとして日々を送られている方にお話をうかがうコーナーがスタートします。初回の「念仏者」は、沖縄別院総代の石川八代子さん。沖縄に石川さんを訪ね、石川さんのこれまでの人生や浄土真宗の教えに出遇うまでの経緯、そして浄土真宗の魅力などについて、じっくりお話をうかがってきました。



●西の空 心に響くことば
  「遊煩悩林」(榎本栄一)

心に響く言葉を美しい写真とともに味わう、ほっと一息つくことのできるコーナー。素朴な言葉で人生のまことをうたった「市井の仏教詩人」榎本栄一さんの詩をお届けしています。今回は、お浄土に生まれて仏となった方たちが、煩悩いっぱいの私たちのところに還り来てはたらいていると味わわれた詩です。葉を赤く染めた秋の木々を照らす光の情景で、詩の世界を表現してみました。