- 出版社・取扱者 : 弘文堂
- 発行年月 : 2011年12月15日
- 本体価格 : 本体1,700円+税
目 次 |
まえがき 第一章 東日本大震災と宗教 第二章 宗教的利他主義・社会貢献の可能性 第三章 宗教的利他主義の構造 第四章 無自覚の宗教性と利他主義 第五章 宗教の社会貢献活動に関する文化・歴史的背景と法制度 第六章 グローバル化とシェアすることの意味 終章 宗教的利他主義のゆくえ あとがき 参考文献 初出一覧 |
---|
本書は「利他主義」をキーワードに、宗教の社会貢献を語った一冊である。なお、「利他主義」とは仏教用語のように見えるが、19世紀のフランスの社会学者による造語、アルトルイズム(altruism)の和訳である。著者の稲場圭信・大阪大学大学院准教授(宗教社会学)は、学生の時からボランティアやNGOに強い関心を持ち、宗教の社会貢献の研究を続けてきた。
本書は東日本大震災に対する宗教界の活動のレポートを掲載しており、そこには震災直後からの各宗教団体の対応、ボランティア活動、支援活動などが網羅的に記され、また被災地在住の宗教者からの聞き取り調査も収録されており、記録としても貴重である。この他にも、利他主義の概説や宗教による社会貢献について論じ、また現代日本人の持つ「無自覚の宗教性」に内在する利他主義を指摘する。これらを踏まえて終章では、震災後日本では、人々の心に眠っていた「思いやり」「共感の心」が再生したのではないか、と述べている。
評者:日野 慧運(教学伝道研究センター研究助手)
掲載日:2012年03月12日