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悪性さらにやめがたし

悪性さらにやめがたし  こころは蛇蝎のごとくなり  修善も雑毒なるゆゑに  虚仮の行とぞなづけたる

(「正像末和讃」『註釈版聖典』六一七頁)

現代語訳

悪い本性はなかなか変わらないのであり、それはあたかも蛇やさそりのようである。だからたとえどんなよい行いをしても、煩悩の毒がまじっているので、いつわりの行というものである。

 

 

私たちは平生、外見では当たり障りのない振る舞いをしていますが、心のなかでは良い人、嫌な人、・・・と周りの人を当てはめて生活しています。自分勝手な物差しで人をはかり、枠にはめていきます。良い人と思っている人に少し気にくわないことをされると、「良い人と思っていたけれど・・・」と思い、枠を微調整していきます。それでもニコニコと接していきます。

他人(ひと)を枠にはめていくのは、自分の身を守るためです。そして、ひとたびその枠から大きくはみ出て、自分の心が傷つけば、とんでもない思いを心に抱き、時にはその思いを口から発し、人を傷つけるようなことをしてしまうのが、私の本当の姿であると、親鸞さまはご自身の心を徹底的に見つめ述べておられます。

そのおこころは、何ひとつ真実を見通すことのできないものを等しく救い取りたいと常にはたらいてくださっている阿弥陀さまのお姿を鏡として、私たちは煩悩の毒に冒されて自己中心の生き方しかできない身であるということを常に思い起こしながら、人生を歩んでいかなければならないということでしょう。

 

文・堀祐彰
2014(平成26)年3月