Ⅱ-0329淨土和讚 Ⅱ-0330(一) 彌陀の名號となへつゝ 信心まことにうるひとは 憶念の心つねにして 佛恩報ずるおもひあり (二) 誓願不思議をうたがひて 御名を稱する往生は 宮殿のうちに五百歲 むなしくすぐとぞときたまふ Ⅱ-0332『讚阿彌陀佛偈』曰 曇鸞御造 南无阿彌陀佛 釋名『无量壽傍經』 奉讚亦曰安養 成佛已來歷十劫 壽命方將无有量 法身光輪徧法界 照世盲冥故頂禮 【一】又號无量光 【二】眞實明 【三】又號无邊光 Ⅱ-0333【四】平等覺 【五】又號无㝵光 【六】難思議 【七】又號无對光 【八】畢竟依 【九】又號光炎王 【十】大應供 【十一】又號淸淨光 【十二】又號歡喜光 【十三】大安慰 【十四】又號智慧光 【十五】又號不斷光 【十六】又號難思光 【十七】又號无稱光 【十八】號超日月光 Ⅱ-0334【十九】无等等 【二十】廣大會 【廿一】大心海 【廿二】无上尊 【廿三】平等力 【廿四】大心力 【廿五】无稱佛 【廿六】婆伽婆 【廿七】講堂 【廿八】淸淨大攝受 【廿九】不可思議尊 【三十】道場樹 【卅一】眞无量 【卅二】淸淨樂 【卅三】本願功德聚 Ⅱ-0335【卅四】淸淨勳 【卅五】功德藏 【卅六】无極尊 【卅七】南无不可思議光 ［已上略抄也］ 『十住毗婆娑論』曰 自在人Ｗ我禮Ｒ淸淨人Ｗ歸命Ｒ 无量德Ｗ稱讚Ｒ已上 Ⅱ-0336讚阿彌陀佛偈和讚 愚禿親鸞作 南无阿彌陀佛 (三) 彌陀成佛のこのかたは いまに十劫をへたまへり 法身の光輪きはもなく 世の盲冥をてらすなり Ⅱ-0337(四) 智慧の光明はかりなし 有量の諸相ことごとく 光曉かぶらぬものはなし 眞實明に歸命せよ (五) 解脫の光輪きはもなし 光觸かぶるものはみな 有无をはなるとのべたまふ 平等覺に歸命せよ Ⅱ-0338(六) 光雲无㝵如虛空 一切の有㝵にさはりなし 光澤かぶらぬものぞなき 難思議を歸命せよ (七) 淸淨光明ならびなし 遇斯光のゆへなれば 一切の業繫ものぞこりぬ 畢竟依を歸命せよ Ⅱ-0339(八) 佛光照曜最第一 光炎王佛となづけたり 三塗の黑闇ひらくなり 大應供を歸命せよ (九) 道光明朗超絶せり 淸淨光佛とまふすなり ひとたび光照かぶるもの 業垢をのぞき解脫をう Ⅱ-0340(一〇) 慈光はるかにかぶらしめ ひかりのいたるところには 法喜をうとぞのべたまふ 大安慰を歸命せよ (一一) 无明の闇を破するゆへ 智慧光佛となづけたり 一切諸佛・三乘衆 ともに嘆譽したまへり Ⅱ-0341(一二) 光明てらしてたへざれば 不斷光佛となづけたり 聞光力のゆへなれば 心不斷にて往生す (一三) 佛光測量なきゆへに 難思光佛となづけたり 諸佛は往生嘆じつゝ 彌陀の功德を稱せしむ Ⅱ-0342(一四) 神光の離相をとかざれば 无稱光佛となづけたり 因光成佛のひかりをば 諸佛の嘆ずるところなり (一五) 光明月日に勝過して 超日月光となづけたり 釋迦嘆じてなをつきず 无等等を歸命せよ Ⅱ-0343(一六) 彌陀初會の聖衆は 算數のおよぶことぞなき 淨土をねがはんひとはみな 廣大會を歸命せよ (一七) 安樂无量の大菩薩 一生補處にいたるなり 普賢の德に歸してこそ 穢國にかならず化するなれ Ⅱ-0344(一八) 十方衆生のためにとて 如來の法藏あつめてぞ 本願弘誓に歸せしむる 大心海を歸命せよ (一九) 觀音・勢至もろともに 慈光世界を照曜し 有縁を度してしばらくも 休息あることなかりけり Ⅱ-0345(二〇) 安樂淨土にいたるひと 五濁惡世にかへりては 釋迦牟尼佛のごとくにて 利益衆生はきはもなし (二一) 神力自在なることは 測量すべきことぞなき 不思議の德をあつめたり 无上尊を歸命せよ Ⅱ-0346(二二) 安樂聲聞・菩薩衆 人天智慧ほがらかに 身相莊嚴みなおなじ 他方に順じて名をつらぬ (二三) 顏容端政たぐひなし 精微妙軀非人天 虛无之身无極體 平等力を歸命せよ Ⅱ-0347(二四) 安樂國をねがふひと 正定聚にこそ住すなれ 邪定・不定聚くにゝなし 諸佛讚嘆したまへり (二五) 十方諸有の衆生は 阿彌陀至德の御名をきゝ 眞實信心いたりなば おほきに所聞を慶喜せん Ⅱ-0348(二六) 若不生者のちかひゆへ 信樂まことにときいたり 一念慶喜するひとは 往生かならずさだまりぬ (二七) 安樂佛土の依正は 法藏願力のなせるなり 天上天下にたぐひなし 大心力を歸命せよ Ⅱ-0349(二八) 安樂國土の莊嚴は 釋迦无㝵のみことにて とくともつきじとのべたまふ 无稱佛を歸命せよ (二九) 已今當の往生は この土の衆生のみならず 十方佛土よりきたる 无量无數不可計なり Ⅱ-0350(三〇) 阿彌陀佛の御名をきゝ 歡喜讚仰せしむれば 功德の寶を具足して 一念大利无上なり (三一) たとひ大千世界に みてらん火をもすぎゆきて 佛の御名をきくひとは ながく不退にかなふなり Ⅱ-0351(三二) 神力无極の阿彌陀は 无量の諸佛ほめたまふ 東方恆沙の佛國より 无數の菩薩ゆきたまふ (三三) 自餘の九方の佛國も 菩薩の往覲みなおなじ 釋迦牟尼如來偈をときて 无量の功德をほめたまふ Ⅱ-0352(三四) 十方の无量菩薩衆 德本うへんためにとて 恭敬をいたし歌嘆す みなひと婆伽婆を歸命せよ (三五) 七寶講堂道場樹 方便化身の淨土なり 十方來生きはもなし 講堂道場禮すべし Ⅱ-0353(三六) 妙土廣大超數限 本願莊嚴よりおこる 淸淨大攝受に 稽首歸命せしむべし (三七) 自利々他圓滿して 歸命方便巧莊嚴 こゝろもことばもたへたれば 不可思議尊を歸命せよ Ⅱ-0354(三八) 神力本願及滿足 明了堅固究竟願 慈悲方便不思議なり 眞无量を歸命せよ (三九) 寶林・寶樹微妙音 自然淸和の伎樂にて 哀婉雅亮すぐれたり 淸淨樂を歸命せよ Ⅱ-0355(四〇) 七寶樹林くにゝみつ 光耀たがひにかゞやけり 華・菓・枝・葉またおなじ 本願功德聚を歸命せよ (四一) 淸風寶樹をふくときは いつゝの音聲いだしつゝ 宮商和して自然なり 淸淨勳を禮すべし Ⅱ-0356(四二) 一一のはなのなかよりは 三十六百千億の 光明てらしてほがらかに いたらぬところはさらになし (四三) 一一のはなのなかよりは 三十六百千億の 佛身もひかりもひとしくて 相好金山のごとくなり Ⅱ-0357(四四) 相好ごとに百千の ひかりを十方にはなちてぞ つねに妙法ときひろめ 衆生を佛道にいらしむる (四五) 七寶の寶池いさぎよく 八功德水みちみてり 无漏の依果不思議なり 功德藏を歸命せよ Ⅱ-0358(四六) 三塗苦難ながくとぢ 但有自然快樂音 このゆへ安樂となづけたり 无極尊を歸命せよ (四七) 十方三世の无量慧 おなじく一如に乘じてぞ 二智圓滿道平等 攝化隨縁不思議なり Ⅱ-0359(四八) 彌陀の淨土に歸しぬれば すなはち諸佛に歸するなり 一心をもちて一佛を ほむるは无㝵人をほむるなり (四九) 信心歡喜慶所聞 乃曁一念至心者 南无不可思議光佛 頭面に禮したてまつれ Ⅱ-0360(五〇) 佛慧功德をほめしめて 十方の有縁にきかしめん 信心すでにえんひとは つねに佛恩報ずべし 已上四十八首Ａ愚禿Ｂ親鸞作Ｃ Ⅱ-0361阿彌陀如來Ａ觀世音菩薩Ｂ大勢至菩薩Ｃ 釋迦牟尼如來Ａ富樓那尊者Ｂ大目犍連Ｂ阿難尊者Ｃ 頻婆娑羅王Ａ韋提夫人Ｂ耆婆大臣Ｂ月光大臣Ｃ 提婆尊者Ａ阿闍世王Ｂ雨行大臣Ｂ守門者Ｃ Ⅱ-0362淨土和讚　愚禿親鸞作 『大經』意　二十二首 (五一) 尊者阿難座よりたち 世尊の威光を瞻仰し 生希有心とおどろかし 未曾見とぞあやしみし Ⅱ-0363(五二) 如來の光瑞希有にして 阿難はなはだこゝろよく 如是之義ととへりしに 出世の本意あらはせり (五三) 大寂定にいりたまひ 如來の光顏たへにして 阿難の惠見をみそなはし 問斯惠義とほめたまふ Ⅱ-0364(五四) 如來興世の本意には 本願眞實ひらきてぞ 難値難見とときたまひ 猶靈瑞華としめしける (五五) 彌陀成佛のこのかたは いまに十劫とときたれど 塵點久遠劫よりも ひさしき佛とみへたまふ Ⅱ-0365(五六) 南无不可思議光佛 饒王佛のみもとにて 十方淨土のなかよりぞ 本願選擇攝取する (五七) 无㝵光佛のひかりには 淸淨・歡喜・智慧光 その德不可思議にして 十方諸有を利益せり Ⅱ-0366(五八) 至心・信樂・欲生と 十方諸有をすゝめてぞ 不思議の誓願あらはして 眞實報土の因とする (五九) 眞實信心うるひとは すなはち定聚のかずにいる 不退のくらゐにいりぬれば かならず滅度にいたらしむ Ⅱ-0367(六〇) 彌陀の大悲ふかければ 佛智の不思議をあらはして 變成男子の願をたて 女人成佛ちかひたり (六一) 至心・發願・欲生と 十方衆生を方便し 衆善の假門ひらきてぞ 現其人前と願じける Ⅱ-0368(六二) 臨終現前の願により 釋迦は諸善をことごとく 『觀經』一部にあらはして 定散諸機をすゝめけり (六三) 諸善萬行ことごとく 至心發願せるゆへに 往生淨土の方便の 善とならぬはなかりけり Ⅱ-0369(六四) 至心・廻向・欲生と 十方衆生を方便し 名號の眞門ひらきてぞ 不果遂者と願じける (六五) 果遂の願によりてこそ 釋迦は善本德本を 『彌陀經』にあらはして 一乘の機をすゝめける Ⅱ-0370(六六) 定散自力の稱名は 果遂のちかひに歸してこそ おしへざれども自然に 眞如の門に轉入する (六七) 安樂淨土をねがひつゝ 他力の信をえぬひとは 佛智不思議をうたがひて 邊地懈慢にとまるなり Ⅱ-0371(六八) 如來の興世にあひがたく 諸佛の經道きゝがたし 菩薩の勝法きくことも 无量劫にもまれらなり (六九) 善知識にあふことも おしふることもまたかたし よくきくこともかたければ 信ずることもなをかたし Ⅱ-0372(七〇) 一代諸敎の信よりも 弘願の信樂なをかたし 難中之難とときたまひ 无過此難とのべたまふ (七一) 念佛成佛これ眞宗 萬行諸善これ假門 權實眞假をわかずして 自然の淨土をえぞしらぬ Ⅱ-0373(七二) 聖道權假の方便に 衆生ひさしくとゞまりて 諸有に流轉の身とぞなる 悲願の一乘歸命せよ 已上『大經』意 『觀經』意　九首 Ⅱ-0374(七三) 恩德廣大釋迦如來 韋提夫人に敕してぞ 光臺現國のそのなかに 安樂世界をえらばしむ (七四) 頻婆娑羅王敕せしめ 宿因その期をまたずして 仙人殺害のむくひには 七重のむろにとぢられき Ⅱ-0375(七五) 阿闍世王は瞋怒して 我母是賊としめしてぞ 无道に母を害せんと つるぎをぬきてむかひける (七六) 耆婆・月光ねんごろに 是旃陀羅とはぢしめて 不宜住此と奏してぞ 闍王の逆心いさめける Ⅱ-0376(七七) 耆婆大臣おさへてぞ 却行而退せしめつゝ 闍王つるぎをすてしめて 韋提をみやに禁じける (七八) 彌陀・釋迦方便して 阿難・目連・富樓那・韋提 達多・闍王・頻婆娑羅 耆婆・月光・行雨等 Ⅱ-0377(七九) 大聖おのおのもろともに 凡愚底下のつみびとを 逆惡もらさぬ誓願に 方便引入せしめけり (八〇) 釋迦韋提方便して 淨土の機縁熟すれば 雨行大臣證として 闍王逆惡興ぜしむ Ⅱ-0378(八一) 定散諸機各別の 自力の三心ひるがへし 如來利他の信心に 通入せんとねがふべし 已上『觀經』意 『彌陀經』意　五首 Ⅱ-0379(八二) 十方微塵世界の 念佛の衆生をみそなはし 攝取してすてざれば 阿彌陀となづけたてまつる (八三) 恆沙塵數の如來は 萬行の少善きらひつゝ 名號不思議の信心を ひとしくひとへにすゝめしむ Ⅱ-0380(八四) 十方恆沙の諸佛は 極難信ののりをとき 五濁惡世のためにとて 證誠護念せしめたり (八五) 諸佛の護念證誠は 悲願成就のゆへなれば 金剛心をえんひとは 彌陀の大恩報ずべし Ⅱ-0381(八六) 五濁惡時惡世界 濁惡邪見の衆生には 彌陀の名號あたへてぞ 恆沙の諸佛すゝめたる 已上『彌陀經』意 諸經のこゝろによりて 彌陀和讚　九首 Ⅱ-0382(八七) 无明の大夜をあはれみて 法身の光輪きはもなく 无㝵光佛としめしてぞ 安養界に影現する (八八) 久遠實成阿彌陀佛 五濁の凡愚をあはれみて 釋迦牟尼佛としめしてぞ 迦耶城には應現する Ⅱ-0383(八九) 百千倶胝の劫をへて 百千倶胝のしたをいだし したごと无量のこゑをして 彌陀をほめんになをつきじ (九〇) 大聖易往とときたまふ 淨土をうたがふ衆生をば 无眼人とぞなづけたる 无耳人とぞのべたまふ Ⅱ-0384(九一) 无上上は眞解脫 眞解脫は如來なり 眞解脫にいたりてぞ 无愛无疑とはあらはるゝ (九二) 平等心をうるときを 一子地となづけたり 一子地は佛性なり 安養にいたりてさとるべし Ⅱ-0385(九三) 如來すなはち涅槃なり 涅槃を佛性となづけたり 凡地にしてはさとられず 安養にいたりて證すべし (九四) 信心よろこぶそのひとを 如來とひとしとときたまふ 大信心は佛性なり 佛性すなはち如來なり Ⅱ-0386(九五) 衆生有㝵のさとりにて 无㝵の佛智をうたがへば 曾婆羅頻陀羅地獄にて 多劫衆苦にしづむなり 已上諸經意 現世利益和讚　十五首 Ⅱ-0387(九六) 阿彌陀如來來化して 息災延命のためにとて 『金光明』の「壽量品」 ときおきたまへるみのりなり (九七) 山家の傳敎大師は 國土人民をあはれみて 七難消滅の誦文には 南无阿彌陀佛をとなふべし Ⅱ-0388(九八) 一切の功德にすぐれたる 南无阿彌陀佛をとなふれば 三世の重障みなながら かならず轉じて輕微なり (九九) 南无阿彌陀佛をとなふれば この世の利益きはもなし 流轉輪廻のつみきへて 定業中夭のぞこりぬ Ⅱ-0389(一〇〇) 南无阿彌陀佛をとなふれば 梵王・帝釋歸敬す 諸天善神ことごとく よるひるつねにまもるなり (一〇一) 南无阿彌陀佛をとなふれば 四天大王もろともに よるひるつねにまもりつゝ よろづの惡鬼をちかづけず Ⅱ-0390(一〇二) 南无阿彌陀佛をとなふれば 堅牢地祇は尊敬す かげとかたちとのごとくにて よるひるつねにまもるなり (一〇三) 南无阿彌陀佛をとなふれば 難陀・跋難大龍等 无量の龍神尊敬し よるひるつねにまもるなり Ⅱ-0391(一〇四) 南无阿彌陀佛をとなふれば 炎魔法王尊敬す 五道の冥官みなともに よるひるつねにまもるなり (一〇五) 南无阿彌陀佛をとなふれば 他化天の大魔王 釋迦牟尼佛のみまへにて まもらんとこそちかひしか Ⅱ-0392(一〇六) 天神・地祇はことごとく 善鬼神となづけたり これらの善神みなともに 念佛のひとをまもるなり (一〇七) 願力不思議の信心は 大菩提心なりければ 天地にみてる惡鬼神 みなことごとくおそるなり Ⅱ-0393(一〇八) 南无阿彌陀佛をとなふれば 觀音・勢至はもろともに 恆沙塵數の菩薩と かげのごとくに身にそへり (一〇九) 无㝵光佛のひかりには 无數の阿彌陀ましまして 化佛おのおのことごとく 眞實信心をまもるなり Ⅱ-0394(一一〇) 南无阿彌陀佛をとなふれば 十方无量の諸佛は 百重千重圍繞して よろこびまもりたまふなり 已上現世利益 『首楞嚴經』によりて大勢至菩薩和讚したてまつる　八首 Ⅱ-0395(一一一) 勢至念佛圓通して 五十二菩薩もろともに すなはち座よりたゝしめて 佛足頂禮せしめつゝ (一一二) 敎主世尊にまふさしむ 往昔恆河沙劫に 佛世にいでたまへりき 无量光とまふしけり Ⅱ-0396(一一三) 十二の如來あひつぎて 十二劫をへたまへり 最後の如來をなづけてぞ 超日月光とまふしける (一一四) 超日月光この身には 念佛三昧おしへしむ 十方の如來は衆生を 一子のごとく憐念す Ⅱ-0397(一一五) 子の母をおもふがごとくにて 衆生佛を憶すれば 現前當來とをからず 如來を拜見うたがはず (一一六) 染香人のその身には 香氣あるがごとくなり これをすなはちなづけてぞ 香光莊嚴とまふすなる Ⅱ-0398(一一七) われもと因地にありしとき 念佛の心をもちてこそ 无生忍にはいりしかば いまこの娑婆界にして (一一八) 念佛のひとを攝取して 淨土に歸せしむるなり 大勢至菩薩の 大恩ふかく報ずべし Ⅱ-0399已上大勢至菩薩 源空聖人御本地也